山形県東根市有形文化財

長瀞小学校所蔵・想画展

5月8日(月)~31日(水)

10:00~18:00 ※想画展の開催期間は無休です

 

後援:長野県教育委員会 長野市教育委員会 信濃毎日新聞社 中日新聞社 NHK長野放送局 NBS長野放送 長野朝日放送 SBC信越放送

シンポジウム「想画を考える」 5月14日(日) 14:00~16:00

岡田匡史(信州大学教育学部特任教授) 川嶋均(東京芸術大学非常勤講師) 町村悠香(町田市国際版画美術館学芸員)

 

記念講演「長瀞小の想画」 5月21日(日) 14:00~16:00

降籏孝(山形大学地域教育文化学部教授)

「想画」は、ここ長野県からはじまった「自由画教育運動」が継承され、発展したものです。

 

昭和初期、恐慌の時代・農村危機の時代に直面した東北の教師たちは、子どもたちに自然だけに目を向け、感覚を鋭敏にさせるだけではなく、日々のくらしや生活と深くかかわるなかで、生活の目、社会への目を、すべての子どもたちに育てなければならないと考えました。

この「生活を見つめ」「生活から学び」「生活を建設する」という考え方は、想画(図画)の佐藤文利と綴方(作文)の国分一太郎を中心とした教師たちにより、長瀞小学校で実を結びました。

 

貧しくとも生き生きと暮らした子どもたちが描いた「長瀞小学校想画」は、山形県東根市の有形文化財に指定されています。図画と作文を一体化した「想画」教育は、現在の総合学習の先駆的取り組みとされ、長瀞小に約900点が残っています。

  

毎年長瀞小学校では子どもたちが生活と郷土を題材にした俳句を詠み、想画を描いています。親子でそれを灯篭に張り、お盆の時期に長瀞城二の丸堀に浮かべ、みんなで鑑賞し合っています。

 

「今、私たちに必要とされるものが、この想画につまっているのではないかと考えさせられます」(動画『長瀞の想画』より)。

「想画」の源流となった長野県の「自由画教育運動」

山本鼎という画家が、手本の模写が主流だった図画教育に異議を唱え、「自分の目で見て、感じとったものを描くことが大切」という「児童自由画教育」を提唱しました。

大正8年(1919年)に長野県の小県神川村(現上田市)の神川小学校で第1回児童自由画展覧会を開催して好評を博しました。

第2回は同じく長野県の下伊那竜丘村(現飯田市)で開かれました。

「自由画教育運動」は、またたく間に全国的な運動になっていきました。

山本鼎の「児童自由画教育」は、自分の目で見て感じとったものを描くことが、児童の発達に大切であると説いたものです。

 

また、冬の農村の副業として、農民が芸術的美しさを備えた生活雑貨や木彫人形を作る「農民美術運動」も進めました。これも同じく小県神川村(現上田市)から全国にひろまりました。当時、「人間回復の芸術運動」とも評されました。

長野県下の生活画の展示、映画「くらしを描く」の上映も行います。深町修司氏と水野隆夫氏の実践です。

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長瀞小想画展の開催におきましては、たくさんの経費がかかっており、募金への協力をお願いしています。

1口千円で、1口から入場料無料です。2口以上の方には想画展の図録を差し上げます。